何だか胸騒ぎがしています…。

実は、職場の新任職員研修の講師を予定しています。
何を伝えるべきか…と思うより先に、前回の同級生の事が胸に浮かびました。
そして、この文章も残してありました。
このブログを読んで頂いている大切な皆さんに贈ります。
阿部敏郎さんの『いまここ』 http://abetoshiro.ti-da.net/ からの抜粋です。

昔、アメリカの大学で、90歳以上長生きした人たちへのアンケート調査があったそうです。
質問は
「あなたの人生を振り返ってみて、後悔することは何ですか?」
というものです。
まず答えから書くと、
1位  もっとリスクにチャレンジすればよかった
2位  もっと多くを学べばよかった
3位  子育て以外にも何かに取り組みたかった
いい大学を出て、いい企業に就職する。
良い家庭を作り、それを守って生きていく。
多くの人たちが信じているこの生き方の背景にあるものは何でしょう。
それは「安全」であることの欲求です。
最近になって大方の安全神話は壊れましたが、それでもなお、「一生安泰」という価値観は社会を覆っています。
もし人生が、できる限りの危険を回避して、平穏無事に、長く生きながらえることが最も重要なことならば、
先に紹介した90歳以上の方たちは、ある意味、人生の成功者だと言えます。
しかし彼らは、正反対のことを言います。
「もっとリスクにチャレンジすればよかった」
生きるとは、本来、危険と隣り合わせのものです。
したがって、危機に瀕した時、生きているという実感が鮮烈に甦ってきます。
平穏無事のぬるま湯の中では、生きながらえることはできても、真に生きることは難しくなるのです。
何をもって人生の成功と見なすか、ここは意見の分かれるとことですが、僕自身は危険の中を生きてきましたし、
きっとこれからもそんな道を歩むでしょう。
もし生まれ変わったとしても、そのような生き方を選ぶと思います。
人と同じである必要を感じません。
僕には僕の生き方があるからです。
さてまたアンケート結果に戻りますが、答えを見てもうひとつ興味深いのは、90歳まで生きれば、人生で犯した失敗もたくさんあったでしょうし、身内や大切な人の死も多く見てきたでしょうし、病に倒れたこともあったでしょうし、人に騙されたり、奪われたりした経験もあったことでしょう。
しかし、そのようなことは、後悔には入っていないのです。
それらは起こるべくして起きたことであり、どうやら長生きすると、それはそれとして横に置くことができるようです。
彼らが後悔として挙げているのは、
「その気になればやれたはずなのに、やらなかったこと」に対してです。
僕は自分の生き方を皆に奨励する気はありませんし、今日紹介したアンケート結果も、だからリスクにチャレンジすべきだと言いたい訳でもありません。
ただ、ひとつの事実として参考にしてもらいたいだけです。
そもそも「こう生きるべきだ」、などというようなものはありません。
究極から見れば、なんだって同じです。
人の世の価値観で、あれこれ比較して、いいとか悪いとか決めているだけの話です。
その一方で、僕たちには「命」があり、「命」には生きたいという強い欲求があり、そしてどのように生きた時に満足するのかの個性もあります。
それは一人一人が違っていて、たったひとつの独自の花が、自ら咲こうとする姿に似ています。
僕たちの内側から、僕たちを突き動かしている無尽蔵のエネルギーを、どう使っていくのか、その選択は一人一人が担っています。
それだけが人生唯一の仕事なのだと思います。

阿部さんに感謝です。
阿部さんの著者等を教えてくれたのは私の姉と母です。
本当にありがとう…。
きっと若い世代には伝わると思います…。
今日はこれから夜勤です。
みんなが幸せになりますように…。