川崎の事件初公判

最近、若者たちが引き起こす事件を見ていますと、
相手に危害を加えると同時に、自分をも破壊しようとしているように思えてなりません。
若者たちのなかに自己嫌悪感、自己否定感というものが強くあるようです。
逆に言えば自己肯定感が弱いということです。
それはなぜかといえば、人から肯定してもらったという経験が少ないからでしょう。
親御さんを含めて周りの人から認めてもらう、承認してもらうという経験がないのです。
人間というものは、社会という集団の中で生かされているのです。
人から認めてもらえなければ、自分で自分を認められない。
ですから、自己嫌悪・自己否定というものは
「自分で自分のことを好きになれない」ということなのです。
親御さんは「子どものことを一生懸命に思っている」と言いますが、それは
「自分の思いどおりの子になってほしい」と言ってるだけなのです。
こういう考え方でいくらお金をかけて子育てをしても、子どもの中に自己肯定感など育ちません。
いま増えている親御さんによる幼児・児童虐待も、
「言うことを聞かないから」という親都合の子育ての仕方が、背景の一つとしてあるような気がします。
私は「生きる力」の源になるのは家族の絆、人間関係ではないかと思っています。
人との関係の中で自分が認められているということは、
生きてくうえでどれだけ力、励みになることでしょう。これは決定的なことだと思います。
しかし、そうするためには人と人とが安心して接することのできる基盤が育っていなくてはなりません。
その基盤となるのが親御さんという保護者なのです。
いつでも安心して戻ってこられるという心理的なものが明確に子どもに伝わっていれば、
子どもは安心して外へ離れていけるのです。
いわゆる「母港」という保護に徹するということが必要なのです。
先にも述べましたが、親御さんに十分に依存して(承認されて)きた子どもは、
思春期において見事に自立・自律していきます。
私はこれが「生きる力」だと思っています。
家族の絆こそ「生きる力」の源なのではないでしょうか。

『2004年 伊藤幸弘氏』

そしてミスチルです。

自分が出来るのは、信用される大人、素敵な大人、カッコいい大人であり続けること…。
そんな事を思います…。
みんなが幸せになりますように…。