涙 その2

城所さんの文章はこうその項を締めくくります。

ヨットに限らず、一人で命懸けの冒険をしている者は、陸、海、空の別なく、よく泣くという話を聴く。
ある冒険バイク家は、広大な大地を泣きながら、地平線を目指してひたすらバイクを走らせたという。
私には判る。
それは他人に侵されてはならない、美しい風景だと。
いずれにしても純粋に泣けるということは、真剣に生きていることの証であり、それ自体感動的ですらある。
大自然の中で、命と感動が完全にイコールしている時間の中に浸り、大の大人が衆目から解放されて大声で泣けるのは、つくづく幸せな行為だと思う。
その証拠に泣かなくなってからは旅は尻つぼみに詰まらなくなり、新たな目標に感動を求めて地球を彷徨(さまよ)う羽目になったのだ。
多くの冒険者が名誉と地位を得たあとも、命の続く限り何かを追い求めようとするのも、その一端はこんなところにあるのかも知れない。
多分、この推測はそれほど外れていないと思っている…。

そんな城所さんにこの涙の箇所が好きなこと、どうしたらこんな文章が書けるのか?等、質問する機会が最近ありました。
小学校の頃、教科書に芥川さんが出ていてのめりこみ、父親からは「そんな文章読むな!」と言われ、
ますますのめりこんだこと、その頃(小5)の授業で、その芥川氏の回の授業の締めを、担任が『悲しみが分かりましたか?』で締め、
『そうじゃねぇだろう!』と小5ながらに思った事、その後、芥川氏の文章を読む際、1ページめくる度に怖くて部屋を動き回っていたこと等、
凄い学齢k時を過ごされていた事が分かりました。
自衛隊入隊、ヨットでの航海、『戦国自衛隊』へのエキストラ出演、そしてなぜか私の職場へ…。
人生、出会いって不思議ですね…。
私は冒険はしませんが、やはり『ボディビル』は一人で味わうものです。
レーニングは誰にも侵されたくない領域です。
かつて記しましたが、『無心』、『瞑想』の領域と思っています。
これからも大切にその領域を守っていきたいと思います。
皆さんの『誰にも侵されたくない領域』は何ですか?
お互い大切にしていきましょう!
みんなが幸せになりますように…。